
色数を3つに絞るだけで、作ったものが急に「整って見える」ようになります。
このキットには、そのまま使える配色の組み合わせを10組と、色をAIに決めさせる指示文を2本入れました。
センスを鍛える話は一旦置いて、役割で決める方法だけを持ち帰ってもらえたらうれしいです。
なぜ3色なのか
色に持たせる仕事は、背景・文字・目立たせたい1か所の3つしかありません。
4色目を足した瞬間、その色は仕事がないまま画面に居座ります。
色数が増えるほど、一番見てほしい所が弱くなる。これだけの話です。
3色の決め方 3ステップ
ステップ1 誰に届けるかで温度を決める
色を選ぶ前に、見る人を先に決めましょう。ここが空っぽのまま色見本を眺めても、好きな色を選ぶだけで終わります。
決めるのは「あたたかい側か、冷たい側か」の2択だけで大丈夫です。
- あたたかい側(赤・オレンジ・黄色・茶・ピンク寄り)…親しみ、やさしさ、食べ物のおいしさ、手づくり感が伝わりやすい
- 冷たい側(青・緑・紺・灰色寄り)…きちんとしている、安心して任せられる、清潔、という印象が出やすい
迷ったら、届けたい相手が「気持ちで選ぶ人」か「条件で選ぶ人」かで分けてみましょう。気持ちで選ぶ人にはあたたかい側、条件で選ぶ人には冷たい側が合いやすいです。
ステップ2 背景と文字の明暗差を作る
ここが一番大事で、一番とばされる所です。
背景を明るくしたら文字は思い切り暗く、背景を暗くしたら文字は白に近づける。この幅が狭いと、どれだけ色が上品でも「読みにくい」で終わります。
判定の仕方はかんたんです。
1. 作ったものをスマホに送る
2. 画面の明るさを半分まで下げる
3. 腕を伸ばした距離から見る
この状態で文字が普通に読めたら合格です。目を細めないと読めなかったら、文字をもっと暗く(または背景をもっと明るく)しましょう。
灰色っぽい文字はおしゃれに見えますが、読みやすさを削って見た目を買っている状態です。読ませたい文字に薄い灰色は使わないでおきましょう。
ステップ3 差し色を1つだけ選ぶ
差し色は「一番押したい1か所」のために取っておく色です。
置いていいのは、次のどれか1つだけ。
- 申し込みのボタン
- 一番伝えたい1行の下線
- 数字や値段のうち、1つだけ
2か所目に使いたくなったら、そこは太字にするか、文字を大きくして対応しましょう。差し色を2か所に置いた時点で、どちらも「一番」ではなくなります。
そのまま使える配色見本 10組
色コードは、制作ソフトの色を指定する欄に「#」から貼り付ければそのまま入ります。
| 名前 | 合う相手・業種 | ベース(背景) | 文字 | 差し色 | 使う時の注意 |
|---|---|---|---|---|---|
| 白磁とくすみピンク | 美容室・まつげ・ネイル。30〜40代の女性客 | #FBF8F6 | #33292C | #B85C68 | ピンクを広い面に塗ると甘くなりすぎるので、線とボタンだけに留めましょう |
| 生成りと深い青緑 | 整体・接骨院・鍼灸。体の不調で探している人 | #F5F4EF | #23302E | #2F6B62 | 青緑の上に文字を乗せる時は白文字にしましょう。黒文字だと沈みます |
| オフ白と熟したトマト | 飲食・カフェ・キッチンカー。近所で店を探している人 | #FAF6F0 | #2B2522 | #C0392B | 赤は面積を増やすと安売りに見えるので、値段か店名のどちらか1か所だけに使いましょう |
| 白と濃紺、差し色は山吹 | 教育・スクール・習い事。親や社会人の受講検討者 | #FFFFFF | #1F3355 | #C27500 | 山吹は文字色には使わず、帯や囲みの色として使いましょう |
| 白と黒、差し色は落ち着いた青 | 行政書士・税理士・社労士。比較して選ぶ人 | #FFFFFF | #1A1A1A | #1B5E9E | 余白を詰めると途端に堅く重くなるので、文字のまわりは広めに空けましょう |
| うすいベージュとからし色 | ハンドメイド・作家もの。手づくりが好きな人 | #F7F1E7 | #4A3A2C | #9C6B15 | 背景のベージュが薄いと白飛びするので、作品写真を置く時は写真の縁を1本引きましょう |
| 白と濃いグレー、差し色は深い緑 | 不動産・リフォーム。大きな買い物を検討中の人 | #FFFFFF | #2E2E2E | #1F6B3B | 緑を2か所以上使うと会社案内っぽく固まるので、問い合わせ先だけに使いましょう |
| 黒に近い背景とライム | ジム・パーソナル・格闘技。体を変えたい20〜40代 | #14161A | #FFFFFF | #B8E02E | 暗い背景は写真が沈みます。人物写真は明るめのものを選びましょう |
| 白に近い灰と青紫 | IT・AI・制作代行。仕事を頼む側の担当者 | #F7F8FA | #23262B | #4A5BD6 | 青紫はリンクの色と間違われやすいので、押せない場所には使わないでおきましょう |
| クリームとくすんだ青 | カウンセリング・コーチング。悩みを抱えて探している人 | #FBF7F0 | #403A35 | #5B7E9B | 青を強く出すと冷たく見えるため、面積は全体の1割までに抑えましょう |
どれを選んでも、背景と文字の明暗差は確保してあります。気に入った1組を決めたら、その3色だけで1枚作り切ってみましょう。
配色をAIに決めさせる指示文 2本
【 】の中だけ書き換えて、そのまま貼り付けて使えます。
指示文① 業種と相手を入れると3色を出してくれるもの
配色を決める担当として答えてください。 【業種・サービス名】 【届けたい相手(年齢・性別・どんな状況で探しているか)】 【見た人にどう感じてほしいか(安心/親しみ/きちんと感/元気 など1つ)】 【使う場所(SNSの投稿画像/チラシ/サイトの上部 など)】 条件 - 色は3つだけ出す。背景・文字・差し色の役割を1つずつ割り当てる - それぞれ #から始まる6桁の色コードで書く - 背景と文字は明暗差を大きく取る。背景が明るいなら文字は十分に暗く、背景が暗いなら文字は白に近づける - 差し色は1か所だけに使う前提で選ぶ。背景に置いた時に沈まない濃さにする - 差し色の上に文字を乗せる場合、白文字と黒文字のどちらが読めるかも書く - 3案出す。各案に短い名前を1つと、その色にした理由を1行付ける - 専門用語を使わず、はじめての人が読んで分かる言葉で書く 出力は表にしてください。列は 案の名前/ベース/文字/差し色/白文字か黒文字か/理由 の6つです。
指示文② 今ある色を3色に減らしてもらうもの
作りかけの画像やチラシを一緒に渡して使います。文字や画像をそのまま扱えるAIなら、この指示文で直す所まで出してくれます(2026年9月8日に出たGPT Image 2.5は、無料プランを含む全プランで使えます。1日に作れる枚数には上限がある場合があります)。
添付した【画像/デザイン】の色を整理してください。 【この制作物の目的(何をしてほしいか。申し込み/来店/保存 など)】 【一番見てほしい場所(見出し/ボタン/値段 など1つだけ)】 手順 1. いま使われている色をすべて読み取り、#から始まる6桁の色コードで一覧にする。それぞれ「どこに使われているか」も書く 2. 一番広い面積を占めている色を、背景の候補にする 3. その背景の上で文字が読めるかを判定する。読みにくい場合は、文字側をどこまで暗く(または明るく)すればいいか色コードで示す 4. 残った色のうち、目的に一番合う色を1つだけ差し色として残す 5. それ以外の色は使わない色として一覧にする 出力 - いまの色の一覧 - 減らしたあとの3色(背景・文字・差し色を色コードで) - どの部分の色を、どの色に置き換えるかの対応表 - 差し色を置く場所を1か所だけ指定する - 直す前と直したあとで、見え方がどう変わるかを1行 判断に迷う所があれば、勝手に決めずに質問してください。
やりがちな失敗3つと直し方
失敗1 差し色をあちこちに使ってしまう
見出しにも、ボタンにも、囲みにも同じ色を置いてしまうパターンです。気持ちは分かります。せっかく決めた色なので使いたくなります。
でも、目立つ色が5か所あると、見る人はどこから読めばいいのか分からなくなります。
直し方は、差し色を使っている場所を全部書き出して、1つだけ残すこと。残さなかった所は、文字を太くするか少し大きくして差を付けましょう。
失敗2 背景に写真を敷いて文字が読めなくなる
写真の上に直接文字を置くと、写真の明るい所と暗い所で読みやすさがバラバラになります。
直し方は3つあります。
- 写真の上に黒か白の薄い膜を1枚かけて、写真全体の明るさをそろえる
- 文字を写真の外に出して、無地の帯の上に置く
- 写真の中でも色の変化が少ない所(空・壁・机)を選んで、そこにだけ文字を置く
一番かんたんなのは2つ目です。迷ったら文字は写真の外に出しましょう。
失敗3 色で強弱を付けようとして、全部同じ強さになる
大事な所を全部色で目立たせようとすると、結果的にどれも目立ちません。強調が並ぶと、強調ではなくなります。
強弱は本来、色よりも「大きさ」と「余白」で作るものです。
直し方は、まず色を全部やめて白黒にしてみること。その状態でも一番見てほしい所が一番大きければ、設計は合っています。そのあとで差し色を1か所だけ戻しましょう。白黒で伝わらないものは、色を足しても伝わりません。
まずこれだけやるなら
いま手元にある制作物を1枚開いて、使っている色を数えてみましょう。4色以上あったら、差し色を1か所に減らして、余った色は背景か文字のどちらかに寄せる。今日はこれだけで大丈夫です。
数えるのが面倒なら、上の指示文②にその1枚を渡してしまいましょう。使っている色の一覧が、それだけで出てきます。
9/24・9/26・9/27の3日間、まとさんと一緒にセミナーをやります。3日とも同じ内容なので、都合のいい日に1回だけ来てもらえれば大丈夫です。
